学校に行きたくない高校生はいる!学生・保護者それぞれに対処法を紹介

学校に行きたくない高校生はいる!学生・保護者それぞれに対処法を紹介

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毎日の学校、時には行きたくないと思う高校生も少なくありません。
そんなとき、本当に学校を休んでもいいのか、対応に悩みますよね。

この記事では、高校生が学校に行きたくないと思う理由から、そう思ったときの対処法を紹介しています。
登校したくないと思ったときに、参考にしてみてください。

学校に行きたくない高校生の割合は?

学校に行きたくない高校生の割合は?

まず、学校に行きたくない高校生の割合を見ていきましょう。

令和3年度に文部科学省が行なった調査では、国立・公立・私立の全日制高校に通う学生のうち、1.3%が長期欠席となっています。人数にして、38.432人です。

学校に行きたくなくなって休むようになってから、長期欠席になる高校生は少なくありません。

参考:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査 / 令和3年度 – 政府統計の総合窓口e-Strat

高校生が学校に行きたくないと思う理由

高校生が学校に行きたくないと思う理由

ここからは、高校生が学校に行きたくないと思う理由を紹介します。
どうして自分は学校に行きたくないのか原因を考えることで、どう対処すれば良いか解決策も見つかりやすくなりますよ。

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クラスに友達がいない

クラスに友達がいない場合、学校に行きたくないと思ってしまう高校生は多いです。

学校へ勉強しに行っているのだとしても、クラスに話せる友達がいないと移動教室や昼休みが苦に感じることもあります。

特に周りが友達と楽しそうに過ごしているのを見ると、クラスにいても居場所がないように感じられてしまいますよね。

苦痛に感じる時間が長く続くと、学校に行きたくなくなってしまうのです。

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勉強についていけない

学校の勉強についていけなくなったとき、出席するのが嫌になる高校生もいます。

高校に入ると、中学の頃よりもさらに難しい問題が出てきます。昔から苦手な教科がある場合、少しずつついていけなくなってしまうかもしれません。

授業は皆のペースに合わせて進むため、わからない問題をわかるまで取り組むことは難しいです。
結果、授業の内容についていけず、楽しくないと感じることも。

登校すれば授業を受けなくてはいけないので、学校に行きたくないと思ってしまうのです。

先生が嫌い

高校生が学校に行きたくない理由の一つに、先生が苦手だったり、嫌いだったりすることもあります。

学校の先生とは相性もあり、注意が多い先生に目をつけられて窮屈な思いをしたり、生徒との距離感が近い先生が担任になって対応に困ったりすると、学校に行くのが嫌になるのです。

学校の先生は長くて3年は付き合いが続くため、嫌だなと思っても距離をとるのが難しいこともあります。その結果、学校を休みがちになる高校生もいます。

いじめがある

学校に行くといじめられる場合、行きたくないと思います。
いじめは生徒同士で上手く解決するのは難しく、先生に相談してもすぐになくなるものでもありません。

学校に行けばいじめがあるというときは、行かないのも一つの手でしょう。

部活に馴染めない

高校では部活に入っている高校生も多いですよね。

放課後を充実させるのに部活は良いですが、部内の雰囲気に馴染めないと楽しくありません。
部活に馴染めないときはそのまま退部したり、幽霊部員になったりする方法もありますが、学校で部員と顔を合わせるのが気まずい、登校しているのに部活に行かないのは申し訳ないと考えてしまう真面目な高校生は学校に行くことすら嫌になります。

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進路に悩んでいる

高校生のなかには卒業後の進路に悩んでいるから学校に行きたくないと考える人もいます。

特に受験生は、進路が決まっていないと悩みがちです。周りがすでに進路を決めていたり、先生から進学や就職について聞かれたりすると焦りも生まれ、ストレスを感じるでしょう。

そのストレスから逃れるために、学校に行きたくなくなります。

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家庭環境に不安がある

両親が不仲だったり、兄弟と上手くいっていなかったり、環境が変わったりすると、精神的に不安定になって学校に行きたくないと思うこともあります。

特に保護者との関係が悪化すると、高校生は登校したくないと思い、不登校になりがちです。

順調に学校へ行くには、家庭環境が落ち着いているのも重要なのです。

高校生が学校に行きたくないと思うタイミング

高校生が学校に行きたくないと思うタイミング

学校に行きたくないと思っても、すぐに不登校になることは少ないです。
学校に馴染んでいなくても、なんとなく登校し続ける高校生のほうが多いのです。
ですが、タイミングによっては、学校に行きたくないと思い、その日から休みがちになることもあります。

夏休み明け

高校生にとって夏休みは、1ヶ月以上ある長い休みです。
夏休みまでは学校に通えていた高校生も、夏休み明けには行きたくなくなっていることがあります。

夏休みの間、登校日を除いて学校には行かないため、それまで我慢して登校していた場合、ストレスもなく快適に過ごせます。
しかし、夏休みが明けるとまた我慢して学校に行かなくてはいけないと思って、行くのが嫌になるのです。

学校に行きたくない高校生は、夏休み明けが近づくと体調不良になったり、気持ちが塞いだりすることが多いです。

日曜日の夜

日曜日の夜は翌日のことを考えやすいです。月曜日には学校に行かなければならないと思うと気持ちが落ち込み、行きたくないと思うようになります。

人によっては、土曜日の夜から「休みは明日までなんだ」と考えて、憂鬱になることもあります。
夜、なかなか眠れずに翌朝起きるのがつらいと、さらに学校に行きたくなくなるでしょう。

新学期

新学期を迎える時期も高校生が学校に行きたくないと思うタイミングです。
新学期は席替えやクラス替えがあるため、友達と離れたら新しい人間関係を築かなくてはいけなくなります。

そのため、人見知りだったり、新しい環境に馴染むのに時間がかかったりする高校生は、新学期を迎えるタイミングで学校に行きたくないと思うでしょう。

また、新学期は夏休みや冬休み、春休みを挟んでいるため、休み明けに学校に行きたくなくなる心理と同じものもあります。

「なんとなく学校に行きたくない…」そんな高校生はどうすればいい?

「なんとなく学校に行きたくない…」そんな高校生はどうすればいい?

友達もいる、クラスも楽しい、勉強にもついていけているけど、なんとなく学校に行きたくないと思う高校生もいます。
ここからは、なんとなく学校に行きたくない高校生が考えてみることを紹介します。

無理に登校しない

なんとなく学校に行きたくないときは、心や体が休息を必要としているのかもしれません。
頑張りすぎるとストレスやプレッシャーを感じて、不登校につながることもあります。
無理をして登校せず、ゆっくり休むことも考えてみましょう。

原因を考える

なんとなく学校に行きたくないと思うときは、何かしらの原因があります。

学校に行きたくない原因はわかりやすいものばかりではありません。
「勉強についていけているけれど、友達と遊ぶ時間はない」「仲良しだけど苦手なタイプの友達がいる」「家から学校までが遠くてめんどくさい」など、なぜ休みたくなるのかを考えてみましょう。

学校に行きたくない原因がわかると、それを取り除くにはどうすれば良いか対処法を考えることができます。

家族に相談する

なんとなくでも学校に行きたくないと思ったら、家族に相談してみましょう。
人に話すことで自分の心も整理されて、どうして学校に行きたくないと思ったのか原因がわかるかもしれません。

また、転校したい、休学したいという意思がある場合は、特に保護者への相談が必要です。
家族の協力が必要なシーンもあるので、自分の考えをまとめてから、転校や休学について伝えてみましょう。

家族以外に相談できる場所

家族に学校に行きたくないことを相談しにくい場合は、教育相談センターや子どもの人権110番など高校生の相談先を利用してみましょう。

  • 教育相談センター…都道府県や市町村が設けている相談先。進路やいじめ、家族関係などを相談できる。
  • 子どもの人権110番…法務省が設けている相談先。いじめや部活動、家族のことなどを相談できる。
  • チャイルドライン…18歳までの子どもが利用できる相談先。「なんとなく不安」などはっきりしない話も受けている。

そのほかに、高校にはスクールカウンセラーがいる場合もあるので、そちらに相談してみるのも良いでしょう。

高校生が学校に行きたくないのは甘えなの?

高校生が学校に行きたくないのは甘えなの?

「理由がわからないけれど、なんとなく学校に行きたくない」と思った場合、自分は甘えているのかと悩む高校生もいるでしょう。
実際に家族や友達に「特に理由はないけど学校に行きたくない」と相談したら、「甘えるんじゃない」と言われた経験があるかもしれません。

ですが、理由がわからないだけで、実は学校に行きたくないのには原因があることも考えられえます。

たとえば、起立性調節障害の場合、朝起きられないといったこともあります。自律神経系の異常で、立ちくらみや長時間立つことができなかったり、疲れやすかったりし、学校に行くのが嫌になるのです。

他にも心のSOSの可能性もあるので、理由がわからない場合でも簡単に甘えだと判断しないようにしましょう。
無理に登校するとストレスを溜め、限界まで頑張ってしまうと後々の人生に影響が出るかもしれません。

学校に行きたくないのは甘えなの?登校したくない理由と対処法を紹介

泣くほど嫌なときは真剣に受け止める

学校に行くのが嫌で泣いてしまうときは、事態を軽く受け止めないようにしましょう。
泣くほど学校に行きたくないときは、心に大きな負荷がかかっていて限界まできている可能性が高いです。

無理に登校せず、ゆっくり休んで落ち着き、心療内科などを受診することも検討しましょう。
また、カウンセリングにかかってみるのもおすすめします。

学校に行きたくないと言う高校生の親・保護者はどうすればいい?

学校に行きたくないと言う高校生の親・保護者はどうすればいい?

学校に行きたくないと言う高校生の親や保護者は、どのように対応すれば良いのか悩みますよね。
ここではいくつかの対処法を紹介するので、参考にしてみてください。

話を聞く

まず、子どもが学校に行きたくないと伝えてきた場合、話を聞くようにしましょう。

話を聞く時のポイントは以下の2つです。

  1. 子どもの話を否定的に聞かない
  2. 無理に話を聞き出さない

子どもの話を否定的に聞かない

まず、子どもが「学校に行きたくない」と言ったときは、否定的にならないように気をつけましょう。
保護者としては「高校は出ておかないと社会で困るだろう」「不登校になったら進路に影響が出るかもしれない」と不安になり、学校に行かないなんてダメだと否定的になってしまうかもしれません。

ですが、子どもも悩んだうえで相談してきているのです。
否定されたら再び相談しようという気持ちにはならず、1人で解決しようとし、不登校になったり、非行に走ったり、家出したりする可能性もあります。

まずは子どもの話を否定せず、耳を傾けるようにしてください。
きちんと子どもの話を受け止めて聞き役となることで、話しやすい雰囲気が作れるでしょう。

無理に話を聞き出さない

子どもから話を聞くときは、無理に聞き出そうとしないことが重要です。

「どうして学校に行きたくないの?」と質問しても答えなかった場合、答えにくいことなのかもしれません。

また、理由を話すことで怒られるかもしれない、否定されるかもしれないといった不安から、素直に話せなくなっている可能性もあります。
そんなときに無理に聞き出そうとすると逆効果になり、余計に口を閉ざしてしまう可能性も。

子どもが話しにくそうにしていたら、気持ちを落ち着けさせて、話せるタイミングで聞くようにしましょう。

どうしたいのか希望を聞く

子どもが学校に行きたくないと伝えてきたら、理由を聞くと同時にどうしたいのか希望も確認しておきましょう。

転校したい、休学したいといった希望が出てくるかもしれません。

ですが、「学校に行きたくないだけでその先のことは考えられない」というケースもあります。今後の希望がない場合でも、相手の気持ちを否定しないように注意しましょう。

子どもがどうしたいのかわからない場合は、どんな学校なら行きたいと思うのか、一緒に考えてみるのも一つの手です。

子どもの気持ちを誘導しない

子どもに学校に行かずにどうしたいのか希望を聞く場合、相手の気持ちを誘導しないように気をつけましょう。

「1日休めば平気だよね?」「休んだら勉強が遅れるよ。本当にいいの?」というように、大人の希望に沿うような返事を期待して質問したり、話を誘導したりしてはいけません。

「それじゃ、転校したら大丈夫ね?」と念押しするのも、子どもの負担になる可能性があります。

あくまで子ども自身の気持ちを聞き、自分の考えと違っていたり、話そうとしなかったりしても、大人の希望におさめる結果へ誘導しないように注意しましょう。

休みたいときは休ませる

子どもが学校に行きたくないと言ったときは、休ませるのも一つの対処法です。

体や心が疲れている可能性があり、「一度休むと登校しなくなるから」と無理に学校に行かせた場合、後に心身を壊すかもしれません。

学校を休ませるのは不安になる保護者も多いですが、心が風邪を引いているのかもしれないと思って休ませ、様子を見てみましょう。

感情的にならずに接する

子どもが学校に行きたくないと言ってきたとき、不登校の兆しに保護者も情緒不安定になる可能性があります。

ですが、子どもから相談されたときに叱ったり、泣いたり、慌てたりすると、その動揺が子どもにも伝わるかもしれないので注意が必要です。
感情的になる保護者を見て、子どもが「もう言わないでおこう」と我慢してしまうことも。

学校に行きたくない高校生は少なくありません。特別悪いことじゃないと考えて、落ち着いて対処するようにしましょう。

相談先を見つける

学校に行きたくないと言われた場合、子どもと同じように、保護者も精神的に不安定になることもあります。

大人だから、親だからと1人で抱えてしまう人も多いかもしれませんが、それでは負担が大きいです。
できれば、周囲に相談できる相手がいると、少しは気持ちも変わるでしょう。

しかし、なかなか子どものことは相談しにくいかもしれません。
そんなときは、公共の相談先を利用するのがおすすめです。先に紹介した教育相談センターは高校生だけでなく、保護者からの相談も受け付けています。
子どもの心身が心配なときは、病院を利用するのも検討しましょう。

高校生が学校に行きたくないときは我慢して行かなくても良い

高校生が学校に行きたくないときは、無理をして登校してもストレスが溜まって、心身に悪い影響が出る場合もあります。
無理だと思ったときは頑張りすぎず、休むのも大切です。

学校に行きたくないと思ったときは理由を考えてみましょう。また、家族や周囲の大人に相談するのも検討してみてください。