高校中退してよかったことはある?後悔しないために確認したいことを紹介

高校中退してよかったことはある?後悔しないために確認したいことを紹介

令和4年度に文部科学省が行なった調査によると、高校中退者は高校1年生が最も多く、そのあと高校2年生、高校3年生と続きます。
高校に入学したものの、イメージと違った、だんだん通うのがつらくなったなどの理由から、高校中退を考える人もいるでしょう。

ですが、高校中退となると将来のことが心配です。

この記事では、高校中退してよかったことと、後悔しないためにするべきことを紹介します。
今後のことについて悩んでいる高校生は、参考にしてみてください。

参考:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について-文部科学省

高校を中退してよかったこと

高校を中退してよかったこと

思い切って高校中退してよかったという人も、少なくありません。
ここでは、高校を中退してよかったという人の意見を紹介します。

お金を自分で稼げるようになった

高校を中退したあと、就職したり、バイトを始めたり、シフトを増やしたりしてお金をたくさん稼げるようになったという声もあります。

高校に通っているうちはバイトをしても、なかなか時間をとれずに思うようにお金を稼げないでしょう。
しかし、高校を中退すると時間ができるため、そのぶんバイトのシフトを増やせます。

また、高校中退後に就職したら、同世代よりもお金を稼ぐこともできるでしょう。

自由度が上がった

高校中退してよかったと思う人のなかには、自由度が上がったという人もいます。

  • 今まで決まった時間に起きなければいけなかったが、好きな時間まで寝ていられる
  • 1日中ゲームできる
  • 頭髪やメイクなど、校則に縛られずできる

など

この他にも、趣味で研究したいことに打ち込める、日本全国どころか海外にまで行きたいところに好きなときに行けるといった、自分がやりたいことができることに自由を感じるでしょう。

苦痛な人間関係から解放された

クラスや部活などの人間関係で苦しんでいた場合、高校を中退することで苦痛から解放されることになります。

たとえば、陰口を叩かれていたり、無視されていたりと、いじめを受けていたら環境を変えたくなるのも当然です。

心身を病ませないために学校を辞め、穏やかな日常に戻れた場合、高校を中退してよかったと思うでしょう。

高校中退してよかったことはないという意見

高校中退してよかったことはないという意見

高校中退してよかったという声がある一方で、辞めなければよかったという声もあります。
高校中退のデメリットを知るためにも、両方の意見を聞くことは大切です。

ここでは、高校中退しなければよかったという意見を紹介します。

中卒で雇ってくれるところは少ない

高校中退した場合、最終学歴は「中卒」です。求人募集の条件では「高卒以上」としているところも多く、バイトや就職の幅が狭いと悩む人もいます。

もちろん、学歴不問の求人もあるため、働けないということはありません。
ただし、選択肢が狭まり、やりたい仕事に就けない可能性があることは覚えておきましょう。

今はバイトだけで良くても、歳を重ねるごとに就職しておけばよかったと後悔することもあるかもしれません。

友達や恋人に「高校中退」と言えない

高校中退しなければよかったと思う瞬間は、友達や恋人と話しているときに出てくることもあります。

よく考えたうえで高校中退の道を選んだとしても、友達や恋人にはなんとなく言いづらいという人も多いです。
高校を卒業したふりをしてしまうこともあるでしょう。

なんとなくの後ろめたさがずっと残るため、高校を中退するのはもっとよく考えてからにすればよかったと後悔するのです。

親に心配をかけた

高校中退する場合、親に伝わることは避けられません。

前述の通り、高校中退すると最終学歴が中卒になるため、ちゃんと就職できるのか、今後どうするのかと親は心配するでしょう。そのとき、やっぱり高校中退しなければよかったかなと思うのです。

また、高校受験や入学のために親にたくさんお金を使わせたのに、中退してしまって申し訳ないと思う人もいます。

大学受験ための勉強が大変だった

高校中退しても、高卒認定試験に合格すれば大学受験は可能です。
高校が嫌で中退したけれど、大学には進みたいという人もいるでしょう。

その場合、大学受験のための勉強が必要です。

まずは高卒認定試験に合格するための勉強、それに受かったら大学受験のための勉強です。

高校中退後、すぐに勉強に取り組めれば遅れもほとんどありませんが、自習では集中力が持たなかったり、難しい問題がなかなか理解できなかったりと、難しいことも多いでしょう。
また、しばらく勉強しない環境にいた場合、しばらく勉強感覚が戻らず苦労するかもしれません。そんなときに、高校中退せずに勉強を続けていればよかったなと思うのです。

高校中退を後悔しないためにするべきこと

高校中退を後悔しないためにするべきこと

高校中退してよかったという人も、中退しなければよかったという人もいるなかで、自分はどうすれば後悔しなくて済むのか、悩みますよね。

ここからは、高校中退を考えたときに後悔しないためにするべきことを紹介します。
中退するかしないかも含め、しっかり考えていきましょう。

中退するデメリットもしっかり考える

高校中退を考えたとき、しっかりとデメリットも把握しておきましょう。
中退する前にデメリットを把握しておくことで、備えることができます。

  • 最終学歴が「中卒」になる
  • 「高卒以上」の求人募集に応募できない
  • 「学歴不問」でも面接の際、高校中退の理由を聞かれることがある
  • 学歴によって給料差が出ることがある
  • 「高校中退」を馬鹿にする人もいる
  • 高校特有の思い出が残らない
  • 友達との付き合いが減る(なくなる)

など

大学受験も高卒以上ですが、高卒認定試験に合格すれば受験できます。

このように、高校中退すると不利な場面があったり、嫌な思い、寂しい思いをしたりすることが考えられます。
自分次第でこれらはクリアできますが、行動力が必要です。

大多数の人が高校を卒業するなかで、ほかの人とは違う道を歩くことをきちんと理解して今後のことを考えましょう。

本当に高校中退してもいいのか、今後自分は何をするのか、しっかり計画を立てていきましょう

転校も視野に入れる

今の環境が嫌で高校中退を考えている場合、転校も視野に入れてみてください。

高校生で転校は珍しく感じるかもしれませんが、実は少なくありません。
全日制の高校はあまり転校生の受け入れを行なっていませんが、通信制の高校は転校生も多くいます。

転校するには条件があります。「高校中退はしたくないけど今の学校に通い続けるのは嫌だ」というときは、まず転校できる高校と条件を調べてみましょう。

勉強は続けて大学受験も検討する

知識は将来に役立つ可能性があるので、高校中退後も勉強し続けると良いでしょう。
また、勉強しなくなると今後大学受験をしたいと思ったとき、困ることになります。

先に紹介した通り、高校を中退しても高卒認定試験に合格すれば大学受験は可能です。
大学に入学し、無事に卒業すると最終学歴は「大卒」になるため、就職するときの選択肢が広がります。

将来のことを考えると、選択肢が少ないより多いほうが良いです。
将来、やりたいことができたのに学歴が壁となって困難になるのはもったいないでしょう。

未来の自分ができることを増やすために、高校中退した場合でも大学受験を検討してみてください

資格を取得する

高校中退後、就職を有利にするには、大学受験以外に資格を取得する方法もあります。

最初は若さと体力勝負で就職面接を切り抜けられても、だんだんとそれだけが武器ではうまくいかないシーンが増えていきます。
特に転職したいときは、これまでの仕事の経験だけでなく、資格が有利に働く可能性もあるでしょう。

資格は、専門の学校に通わなければいけないものもありますが、独学で勉強し、取得可能なものもあります。

  • 日商簿記
  • 宅建(宅地建物取引士)
  • 危険物取扱者乙種・丙種
  • IT系資格
  • 秘書技能検定

など

また、資格以外に、都道府県によっては高校中退者向けの職業訓練を実施していることもあります。
就職に必要なスキルが学べるため、就職したいけど自分の能力に不安があるという人は、そちらもあわせて調べてみてください。

就職活動をする

高校中退後、ずっと家でゴロゴロしていては前に進めません。
大学受験を考えていない場合、就職活動を始めてみましょう。

仕事を始めることで生活にメリハリが出て、学校に通っていた頃よりも楽しく過ごせるかもしれません。
また、就職すれば給料が出るので、自由にできるお金が増えます。お金がなくて諦めていたこともできるようになるので、行動に幅が出るでしょう。

ただし、就職する場合、「高卒以上」の求人には応募できない点に注意してください。
興味のある仕事を見つけても、中卒のままでは応募すらできない可能性があります。

どうしても働きたい職場が高卒以上しか募集していない場合、通信制や定時制の高校に通って卒業を目指しましょう
(高卒認定試験を受けて合格しても大学受験はできますが、最終学歴は中卒になるため、高卒以上には含まれません)

海外に留学する

高校中退後、海外に留学するケースもあります。
日本の学校と海外の学校ではカリキュラムが違い、雰囲気も異なるのです。そのため、日本の学校に馴染まなかった人が海外に留学したら卒業まで楽しく過ごせたという話もあるのです。

海外留学することで、日本にいたら経験できなかったことができたり、現地の言葉を履修できたりといったメリットもあります。
一方、海外留学はお金がかかる、生活が合わなかったときにきついといったデメリットも存在するのです。

決して良い面ばかりではないので、リスクなどもしっかり調べてから高校中退後の進路の1つに考えましょう。

高校中退してよかったと思うには自分の努力が必要!

高校中退してよかったと思う人は、「お金を稼げるようになった」「自由にやりたいことができるようになった」など良い変化を感じています。
一方で「就職の選択肢が狭まった」「付き合い始めた恋人に高校中退と言えない」など、自分の選択を後悔する声も。

高校中退してよかったと思うには、まず自分はどうしたいのか、今後どうするのかをデメリットを含めてしっかり考える必要があります。
高校中退以外に、転校や海外留学といった道もあるので、あらゆる選択肢を吟味したうえで、決断してくださいね。