大学受験の仕組みや日程をわかりやすく解説!
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高校卒業後の進路として、大学進学を選ぶ高校生は増えています。
一方で、大学受験の仕組みも年々複雑化しており、「どの入試方法で受験すれば良いか分からない」と困る高校生も少なくありません。
今回の記事では、大学受験の仕組みや日程をわかりやすく解説します。大学受験を考えている高校生は、ぜひ参考にしてくださいね。
大学受験の仕組み
まずは、大学受験の仕組みを見ていきましょう。
大学入学共通テストとは
「大学入学共通テスト」とは、高校までの基礎学力を測ることを目的に実施される学力試験のことです。
受験科目は、「国語」「地理歴史」「公民」「数学」「理科」「外国語」「情報」の7教科21科目から最大9科目まで受験できます。また、出題される問題や試験日時は全国全ての会場で同じです。
受験する大学や入試方法によっては、大学入学共通テストの受験は必須ではありません。
しかし、国公立大学では大学入学共通テストが1次試験の代わりを果たしており、大学入学共通テストの結果と2次試験の結果で合否が決まります。そのため、原則として大学入学共通テストの受験が必須です。万が一、大学入学共通テストの結果が良くなかった場合、志望校を変える必要が出てくるでしょう。
もちろん、私立大学でも大学入学共通テストの結果を利用した受験はできます。私立大学は、大学入学共通テストの結果だけで合否が決まることが多いです。
一般選抜とは
一般選抜は、主に学力で大学の合否を決める入試方法のことです。大学入学共通テストとは異なり、出題される問題は大学ごとに違います。
また、学校区分によっても一般選抜の仕組みは異なるので注意が必要です。
国公立大学の場合は、「前期」「中期」「後期」に分かれています。
前期では、文系は「外国語」「国語」「数学」「地理歴史」「公民」から3〜4教科、理系は「外国語」「数学」「理科」から3〜4教科受け、記述問題が多いのが特徴です。
後期になると、面接や小論文などが課されることが多くなります。
一方の私立大学は、一般選抜の選択肢が豊富なのが特徴です。
3教科型の入試方法が一般的ですが、ほかにも下記のような方法があります。
- 全学部日程入試
- 試験日自由選択制
- 得意科目重視型入試
- 大学入学共通テスト利用型入試
私立大学は、国公立大学と違って一般選抜の日程が一律で決まっていません。入試方法や日程によっては、同じ学部・学科の試験を複数回受けられるので、合格するチャンスを増やすことができますよ。
また、3月になってから出願・受験できる大学もあるので、ギリギリまで志望校合格を目指すことが可能です。
学校推薦型選抜とは
学校推薦型選抜は、所属する高校の学校長から推薦を受けた人に限り受験できる入試方法です。
主な選考方法には、以下の内容があります。
- 書類審査
- 小論文
- 面接
- 課外活動の成果
など
学力試験はない場合が多いですが、国公立大学は大学入学共通テストや独自の学科試験が課されることがあるので注意が必要です。
また、学校推薦型選抜には「指定校制推薦」と「公募制推薦」の2種類があり、それぞれ条件や内容が違います。
指定校推薦は、まず大学が推薦を出す高校を選びます。自分の高校が指定校に選ばれたとしても、利用できる枠数が決まっているので、志望者が多い場合は学内選考があります。
また、指定校制推薦は主に私立大学で実施されている制度で、導入する国公立大学は少ないです。
一方の公募制推薦は、大学の条件を満たしていれば受験が可能です。学内選考がない分、全国の高校で利用する人が増えるので、指定校制推薦に比べて難易度が上がる傾向があります。
総合型選抜とは
総合型選抜では、「大学で学びたい理由がしっかりと持てているか」が重要視されます。そのため、大学が掲げる「アドミッション・ポリシー(大学が求める人物像)」に当てはまっているかがポイントです。
基本的に学校長の推薦は不要で、学校成績の評定平均も指定されていない場合もあります。選考方法は、1次試験は書類選考、2次試験では面接やプレゼンテーション、小論文などが多いです。しかし選考方法も近年多様化しており、なかには資格試験の取得や口頭試験、レポートの提出などが課される場合もあります。
また、志望理由書や調査書などの提出書類が多く、プレゼンテーションの内容によっては準備に時間がかかる場合も。早めに準備に取りかかる必要があるでしょう。
英語外部試験利用入試とは
英語外部試験利用入試とは、民間機関や外部が実施する英語資格を使った入試方法です。
取得した英語資格の級やスコアを、大学入試の得点に変えることができます。
最近では、大学独自の英語試験を実施せずに、英語外部試験利用入試を利用する大学が増加傾向にあります。1・2年生の間に必要な資格を取得すれば、英語の勉強に割く時間をほかの教科に当てることができるのがメリットです。また、どれか1つの資格の条件を満たしていれば、複数の大学で結果を利用することができます。
英語外部試験利用入試で利用できる資格は以下のとおりです。
- 実用英語技能検定(英検)
- ケンブリッジ英検
- TOEIC
- TOEFL
- TEAP
- TEAP CBT
- GTEC
- GTEC CBT
- IELTS
など
英語外部試験利用入試で英検の結果を利用する際は、資格の有効期限に注意が必要です。多くの大学では、英語外部試験利用入試で利用できる資格は、取得から2年以内のものと定められています。入試の時期によっては、取得した資格や得点が大学受験で利用できない場合があるので気をつけてくださいね。
また、英検は準2〜2級レベルが必要なことが多く、難関大学では準1以上が求められる場合もあります。
地方(サテライト)入試
最近では、地方(サテライト)入試を導入する大学が増えています。
地方入試とは、大学のキャンパス以外で入試を実施する入試方法のこと。地方入試の試験会場が家の近くだった場合、わざわざ遠くまで行かなくても慣れた土地で受験が可能です。
加えて、宿泊費や交通費などの費用を抑えることができますよ。
【2025年度】大学受験の日程を把握しよう
大学受験は、受験する大学の学校区分や入試方法によって時期が違います。ここでは、2025年度の入試日程を見ていきましょう。
<大学入学共通テストの日程>
【受験案内】
9月上旬頃配布
【出願期間】
例年9月下旬〜10月上旬
【試験日】
2025年1月18日(土)、19日(日)
【結果発表】
各自で自己採点して得点を確認する
<【国立大学】一般選抜の日程>
【出願期間】
2025年1月27日(月)〜2月5日(水)まで
【試験日】
<前期日程>2025年2月25日(火)以降
<後期日程>2025年3月12日(水)以降
【合格発表】
<前期>2025年3月6日(木)〜10日(月)
<後期>2025年3月20日(木・祝)〜24日(月)
<追加合格>2025年3月28日(金)以降
【入学手続き】
<前期>2025年3月15日(土)まで
<後期>2025年3月27日(木)まで
<【公立大学】一般入試の場合>
【出願期間】
2025年1月27日(月)〜2月5日(水)まで
【試験日】
<前期>2025年2月25日(火)以降
<中期>2025年3月8日(土)以降
<後期>2025年3月12日(水)以降
【合格発表】
<前期>2025年3月1日(土)〜10日(月)
<中期・後期>2025年3月20日(木・祝)〜24日(月)
【入学手続き】
<前期>2025年3月15日(土)まで
<中期・後期>2025年3月27日(木)まで
<【国公立大学】学校推薦型選抜の日程>
【出願期間】
2024年11月1日(金)以降
【試験日】
大学によって異なります。募集要項や学校ホームページをご確認ください。
【合格発表】
2024年12月1日(日)以降〜2025年1月24日(金)まで
*大学入学共通テストを課す場合は、2月12日(水)まで
【入学手続き】
2025年2月19日(水)まで
<【国公立大学】総合型選抜の日程>
【出願期間】
2024年9月1日(日)以降
【試験日】
大学によって異なります。募集要項や学校ホームページをご確認ください。
【合格発表】
2024年11月1日(金)以降〜2025年2月12日(水)まで
【入学手続き】
2025年2月19日(水)まで
<【私立大学】一般選抜の日程>
【出願期間】
2024年12月中旬〜3月下旬まで
【試験日】
2025年1月下旬〜3月下旬まで
【合格発表】
2025年2月上旬〜3月下旬まで
【入学手続き】
2025年2月上旬〜3月下旬まで
<【私立大学】学校推薦型選抜の日程>
【出願期間】
2025年11月以降
【試験日】
2025年11月以降
【合格発表】
2025年12月以降
<【私立大学】総合型選抜の日程>
【エントリー期間】
2024年7月頃
【出願期間】
2024年9月頃
【選考期間】
2024年9月以降
【合格発表】
2024年11月以降
また、募集要項入手から入学手続きまでの詳しい大学受験の流れはこちらの記事でも解説しています。大学受験本番だけではなく、受験勉強のスケジュールを組むうえでのポイントも触れているのでぜひ参考にしてください。
大学受験の疑問解決Q&A
続いては、大学受験についてよくある質問をQ&A方式にまとめたものを紹介します。
大学受験の受験料の費用相場は?
大学受験の受験料にかかる費用相場は、約2万7,000円です。
具体的な費用の内訳は、以下をご確認ください。
大学入学共通テスト(2教科以下) | 1万2,000円 |
大学入学共通テスト(3教科以下) | 1万8,000円 |
国公立大学の一般選抜(二次試験) | 約1万7,000円 |
私立大学の一般選抜(医学部・歯学部) | 約4〜6万円 |
私立大学の一般選抜(医学部・歯学部以外) | 約3万5,000円 |
総合型選抜・学校推薦型選抜(国公立) | 約1万7,000円 |
総合型選抜・学校推薦型選抜(私立) | 約3万円 |
大学受験では、受験料のほかにもさまざまな場面で費用がかかります。
大学受験で必要となる具体的な費用については、こちらの記事で紹介しています。
大学受験当日の服装は制服?私服?
大学受験の当日に、何を着ていくか悩む高校生も少なくないでしょう。実は、入試区分によって大学受験に着ていく服装の割合は違います。
浪人生や社会人も多く受験する一般試験では、私服を着る受験生が多いです。また、遠方の大学を受験する人のなかには、「荷物を減らしたい」という理由で私服を選び人もいます。
一方の面接試験では、制服を着る高校生の割合が高いです。面接試験では、試験官に与える第一印象が合否に直結します。そのため、身だしなみを整えやすい制服を着る受験生が多いです。指定の学校制服がない高校生は、スーツやフォーマルな服装を着る傾向がありますよ。
そのほか、シチュエーション別の服装選びのポイントをこちらの記事で詳しく解説しています。大学受験当日の持ち物も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
大学受験でおすすめの勉強法は?
「受験勉強を始めよう」と思っても、効果的な勉強法が分からないと勉強にも力が入りませんよね。受験勉強を始める前に、まずは自分にあった勉強法を探しましょう。
受験生には、下記の勉強法がおすすめです。
- 勉強計画を立てる
- 復習をして基礎を固める
- 隙間時間を活用する
- まずは苦手な科目から取り組む
- 参考書を買う
- 塾に通う
- 家庭教師を利用する
など
自分の性格にあった勉強法を見つけて、効率的に受験勉強に取り組みましょう。
大学受験で塾に行くべきか?
大学受験では、志望校の出題傾向を分析したり、常に入試に関する情報をキャッチするためにアンテナを張ったりする必要があります。
学校生活や部活で忙しい高校生にとって、全て1人でできるか不安に感じますよね。
不安な人は塾に行くことで、大学受験で必要なサポートを受けられます。しかし、「大学受験」だからといって、全ての受験生が行くべきだとは限らないですよ。
大学受験で塾に行くべきかは、「明確な目標を持っているか」「自分の性格にあっているか」を踏まえて決めることがポイントです。
より詳しく塾に通うメリットやデメリット、大学受験で塾に行った方が良い高校生の特徴などを知りたい人には、こちらの記事がおすすめです。大学受験でおすすめの塾も紹介しているので、行くべきか悩んでいたらぜひ一読してください。
大学受験でかかる塾費用はいくら?
文部科学省が公表した「令和3年度子供の学習費調査」によると、実際に学習費を支払った家庭の年間平均費用は公立高校(全日制)で約36万3,000円、私立高校(全日制)で約44万7,000円でした。
12ヶ月で割った場合、毎月塾にかかる費用は3〜4万円であることがわかります。
また、塾費用の内訳には主に以下のものが多いです。
- 入塾金(入会金)
- 受講料(授業料)
- 季節講習・特別講習費
- 模試費用
- 教材費
- 施設管理費
など
こちらの記事では、そのほかに塾費用を安く抑える方法や授業形式別の費用の違いなどについて詳しく解説しています。
大学受験の準備は余裕を持って早めに取りかかろう!
今回は、大学受験の仕組みや日程についてわかりやすく解説しました。
大学受験の仕組みは複雑で、受験する大学にあわせて入試方法を考える必要があります。そのため、受験生になってから準備を始めると時間が足りない可能性が高いです。
直前になって焦らないように、大学受験を視野に入れ始めたら早めに準備を始めましょう!