【高校生の親向け】子供が勉強しない原因&親がとるべき対応方法
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勉強しない高校生の姿を見て、どうにか勉強させようと必死な親もいるでしょう。
しかし、思春期の高校生に対して、強制的に勉強させるのは逆効果です。反抗的な態度をとって、さらに勉強から遠ざかる可能性も考えられます。
この記事では、高校生を子に持つ親に向けて、勉強しない子供にとるべき対応方法を紹介します。
高校生の子供が勉強しない原因
子供が勉強していない姿を見ると不安になりますよね。子供を勉強させたいときは、まず原因を探すことが大切です。
高校生が勉強しない原因を具体的に見ていきましょう。
環境が整っていない
高校生が勉強しない原因として、家のなかで学習できる環境が整っていないことが挙げられます。思春期の高校生は、気分の浮き沈みが激しく、些細なことが気になり集中力が切れてしまうからです。
また、家族の話し声やテレビの音がうるさくて、勉強に集中できないケースも珍しくありません。親が近くで電話している声が大きかったり、スマホに届いた友達からのメッセージが気になったりすることで、集中力が切れてしまいます。
まずは、子供が勉強に集中できる環境が整っているか見直しましょう。
ほかに楽しいことがある
今どきの高校生にとって、スマホやゲームはとても身近な娯楽です。
スマホやゲームで遊んでいると、あっという間に時間がすぎてしまいます。少しだけ休憩するはずが、勉強しないまま1日が終わることも珍しくありません。
また、高校生になると友達と遊ぶ行動範囲が広がるため、友達との時間を優先して勉強しなくなる場合があります。
強制されると反抗したくなる
親から勉強を強制されると「やらされている感」が増し、子供は反抗的な気持ちになります。イヤイヤ勉強に取り組むことで、子供が主体性を持って勉強しなくなるのです。
また、親からは勉強する気がないように見えても、子供のなかで勉強のルーティンが決まっている可能性もあります。せっかく勉強する気持ちがあったのに、「遊んでばかりいたらダメ」「いつ勉強するの?」などの声がけがきっかけで、せっかくのやる気が削がれてしまうのです。
部活に比重をおいている
高校生活のなかで、部活に比重をおいている高校生もいます。活動量の多い部活の場合、放課後以外に、朝や休日に練習することも少なくありません。
たくさん体を動かして家に帰ってくるので、いざ勉強しようと思っても疲れて集中できない可能性があります。結果、勉強せずに寝てしまい、必然と勉強時間が少なくなってしまうのです。
勉強方法が分からない
そもそも、家での勉強法が分からない高校生もいるようです。
いくら勉強に時間を割いても、効果的な勉強方法が分からなければ、なかなか成績も向上しません。
頑張っても成績が上がらなければ、やる気が下がって勉強しなくなるでしょう。
勉強する意味や目的が分からない
勉強する意味や目的が分からない高校生は、親や先生に「強制的に勉強させられている」と感じます。
主体性がないと、勉強へのやる気が出てきません。どうして今勉強する必要があるのか明確な目的が分からないと自主的に取り組むのは難しいでしょう。
そもそも勉強が嫌い
高校生が勉強しない理由として、「そもそも勉強が嫌い」というのが挙げられます。勉強に対する苦手意識が強いと、学習することが楽しいと思えません。
しかし、勉強が嫌いだからといってしないままでいると、取り返しのつかないくらい勉強が遅れてしまうこともあります。
勉強しないまま放っておいてはダメな理由
高校生を勉強しないまま放っておくと、どのような末路を迎えるのでしょうか。
勉強しないまま放っておいてはダメな理由を深掘りします。
授業についていけなくなる
勉強しないまま放っておくと、授業のスピードについていけなくなります。その結果、分からないことが増え、さらに勉強に対するやる気を失ってしまうのです。
授業についていけないと、分からないことが増えるだけではありません。学校に行くことが苦痛となって、不登校になる可能性もあります。
自分に自信がなくなる
子供が勉強しないのを放っておくと、次第にテストの点数や順位が下がってきます。
勉強ができていないのを数字として目の当たりにした子供は、「自分はダメな人間だ」と思い、少しずつ自信をなくしていくでしょう。
挽回しようとしても、これまで勉強していなかった分、遅れが出てなかなかうまくいかない可能性があります。その結果、さらに自己肯定感が下がってしまう恐れもあるのです。
留年する可能性が出てくる
勉強しないまま放っておくと、留年して同じ学年で授業を受ける可能性が出てきます。
高校では、進級に必要な単位を取得できなければ次の学年に上がれず留年するからです。また、留年したことで学校に通いにくくなり、最悪な場合だと自主退学を選択することもありえます。
学校によっては留年できる回数に制限が設けられているため、一定数を超えると強制退学になるリスクがあることを覚えておきましょう。
進路の幅が狭まる
子供を勉強しないまま放っておくと、勉強習慣が身につかないまま受験期を迎えてしまいます。
受験の出題範囲は、高校1、2年生の内容も多く、3年生からすべての学習内容を網羅するのは不可能に近いことです。結果として、「行きたい学校」ではなく「行ける学校」を選ばざるを得なくなります。受験生になるまで勉強しないで放っておくと、進路の選択肢が狭くなるのです。
また、総合型選抜や学校推薦型選抜は、内申点が重要となります。出席日数や日頃の授業態度が悪いと、内申点に影響して総合型選抜や学校推薦型選抜がもらいにくくなるでしょう。
勉強しない高校生に親がとるべき対応
思春期の高校生に対する接し方は難しく、親がとる対応1つで機嫌が悪くなることもあります。高校生が積極的に勉強に取り組むため、親がとるべき対応を見ていきます。
勉強を強制しない
勉強しない高校生に対して、強制的に勉強させるのは絶対にやめましょう。親が「勉強しなさい」と言うことで、子供のやる気はゼロになります。
勉強しない子供の姿を見ると注意したくなりますが、そこは親も我慢が必要です。強制的に勉強させることは、高校生の勉強に対するモチベーションを下げる原因になると覚えておきましょう。
適度な距離を保って見守る
子供が勉強しないときでも、親は感情的にならず、常に一歩下がって見守ることが大切です。
親が感情的になってしまうと、子供は反抗的になりさらに勉強しない可能性があります。いくら親が世話を焼いても、高校生自身が勉強する気にならなければ意味がありません。
イライラせずに適度な距離を保って見守り、子供だけでは解決できない状況に陥っていたら、助けるようにしましょう。
集中できる環境を整える
親は、子供が勉強に集中できる環境整備に注力することが大切です。特に、テスト前や受験期には以下の点に注意しながら環境を整えましょう。
- 勉強机を用意する
- 勉強に集中しているときは部屋に入らない
- 勉強している近くでは生活音を立てない
- 家の手伝いの負担を減らす
- 求められたら勉強を教える
- 塾や家庭教師を用意する
親が積極的に勉強しやすい環境を作ってくれるのは、子供にとって嬉しいことです。環境を整えるだけではなく、ときには学習面でもサポートすることも大切ですよ。
勉強する意味や将来について話し合う
高校生が1人で悩みを抱え込まないように、時折勉強する意味や将来について話し合うことも重要です。
いきなり勉強に焦点を当てて話すのは不自然なため、「最近どう?」「部活頑張っているね」など、自然な切り口で話し合いを始めると、子供もリラックスして話しやすいでしょう。
話を聞いたうえで、必要であれば親自身の経験を踏まえたアドバイスをするのが適切な対応といえます。
子供がやりたいことを尊重する
勉強しないまま放っておくのはダメですが、ときには子供のやりたいことを尊重することも必要です。
部活や趣味など、子供が熱心に取り組んでいることを、無理やり制限するのは避けましょう。勉強以外のことに取り組むことで、気持ちを切り替えることができます。
子供を信じる
まず、親は子供のことを信じてあげること大切です。
高校生であれば、困難な出来事にも自分の力で乗り越えることができます。「大丈夫かな?」と心配するのではなく、信じて見守ることを忘れてはいけません。
適切な距離を保って、子供が頑張る姿を信じて見守ってあげましょう。
塾や家庭教師も検討する
子供の力だけで勉強するのが難しければ、塾や家庭教師などのサービスを検討しても良いでしょう。
学力向上だけではなく、勉強が楽しくなればモチベーションアップにもつながります。学校以外の学びの場所が、子供にとって勉強しやすい環境かもしれません。
さまざまな体験をさせて、子供の個性に合った学習環境を見つけていきましょう。
勉強しない高校生に言ってはいけない言葉
勉強しない高校生には慎重に対応する必要があります。
どんな言葉がやる気を削いでしまうのか、勉強しない高校生に言ってはいけない言葉を見ていきましょう。
「勉強しなさい」
勉強しない高校生に「勉強しなさい」と言ってはいけません。高校生が自ら勉強に取り組むためには、自主性を持つことが重要だからです。
多感な時期の高校生にとって、親から指図されて強制的に勉強するのは大きなストレスになります。「勉強しなさい」というほど、勉強しなくなるでしょう。
「勉強しなかったらスマホ取り上げるよ」
勉強しないからといって、「スマホを取り上げるよ」などと言うのもダメです。
罰を与えてしまうと、それを回避するために勉強するようになります。
その結果、勉強する目的を履き違えてしまい、勉強習慣が身につかなくなってしまうのです。
「勉強したらお小遣いあげる」
勉強させるためにお小遣いなどのご褒美を与えるのもNGです。そのうち子供はご褒美がなければ勉強しなくなるので、「勉強したらお小遣いあげる」とは言わないようにしましょう。
ご褒美を与えることは、一時的なモチベーションアップには効果的です。しかし、次第にご褒美がもらえないと子供は勉強をする目的を失ってしまいます。
「〇〇ちゃんは1日◯時間勉強してるみたいだよ」
「〇〇ちゃんはもっと勉強してるみたいだよ」など、ほかの子と自分の子供を絶対に比較してはいけません。
周りと比較する言葉を言われると、高校生は深く傷つきます。結果として、自己肯定感が下がり、勉強に対するモチベーションがゼロになる可能性もあるでしょう。
また、兄弟と比較することも同様に言ってはいけません。身近な存在の家族と比較されることで、さらに劣等感を強く抱いてしまうからです。
注意する前に、その言葉で子供が傷つかないか考えてみましょう。子供が自信を失う発言や行動を避けることが大切です。
「私の育て方が悪かったんだね」
親が必要以上に悲観的になりすぎて、子供の存在を全否定するような言葉は避けましょう。
思春期の高校生は、周りの感情に影響を受けやすいことを忘れてはいけません。
親の感情が自分のせいで不安定になっていると、子供自身も傷つき、さらに勉強に手がつかなくなります。
勉強しない高校生は放っておくのではなく適度な距離感で見守ろう!
勉強しない高校生を放っておくのはダメですが、強制させるのもよくありません。適度な距離をとって、子供を見守ることがポイントです。
口出しはせずに、アドバイスを求められたら適切な対応がとれるように構えておきましょう。