高校生が読むべき名作小説!ファンタジーにミステリーなど、ジャンル別におすすめ小説を紹介
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高校生になると小説を読む機会も増えますよね。ですが、たくさんある小説のなかから、どの本が高校生にもおすすめなのか、迷うことはありませんか?
この記事では、ファンタジー、ミステリー、青春・恋愛、学びに役立つもの、といったジャンルごとに、高校生が読むべき名作小説を20選、紹介します。
気になる作品があったら、ぜひ読んでみてくださいね。
高校生におすすめのファンタジー小説
ここでは、高校生向けのファンタジー小説を5作品紹介します。
【鹿の王】上橋菜穂子
「鹿の王」は2015年に本屋大賞を受賞した作品で、アニメ映画も公開されました。
攻め入ってくる巨大な帝国から故郷を守ろうとする戦士、ヴァン。
彼は謎の感染症による恐ろしい光景を目撃し、病の原因を突き止めようとする天才医術師、ホッサルと出会い、2人を中心に人々が過酷な運命と戦う、壮大なストーリーへと展開していきます。
【星の王子さま】アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(フランス)
「星の王子さま」は1943年に発表された作品で、幅広い世代の人の心を掴む普遍的なテーマを描いており、現在に至るまで多くの人に親しまれてきました。
孤独な飛行士が星の王子さまと出会います。王子さまはこれまでの旅路を語り、飛行士はその交流のなかで、人生で大切なものはなにかを思い出していくというストリーです。
星の王子さまはさまざまな言語に翻訳されていることでも知られており、英語学習にもおすすめです。
【変身】フランツ・カフカ(ドイツ)
「変身」は、不条理文学のなかでも多くの人に知られている作品の一つでしょう。
普段はセールスマンとして働く男、グレゴール・ザムザは、ある日突然、巨大な毒虫に変身してしまい、厄介者として家族のなかで孤立していきます。
変身をきっかけに変化していく家庭環境と、ザムザ自身の悲しい運命が描かれており、家族や人生について考えさせられる作品です。
【ハリー・ポッターシリーズ】J.K.ローリング(イギリス)
「ハリー・ポッターシリーズ」は、映画版を観たことがある人も多いのではないでしょうか。
11歳の誕生日に、自分が魔法の力を持っていることを知った少年・ハリーが、魔法学校ホグワーツで学友との絆を深めながら、邪悪な力を持つ魔法使いに立ち向かっていく物語です。
原作である小説版と映画版ではさまざまな違いもあるため、見比べてみても面白そうですね。
【ブレイブ・ストーリー】宮部みゆき
「ブレイブ・ストーリー」は宮部みゆきの小説で、アニメ映画にもなりました。
主人公の少年は、突然持ち上がった両親の離婚話をきっかけに、それまでの日常を取り戻すため、異世界に旅立ちます。
主人公とは対照的な少年も登場し、冒険譚を通して2人の運命や成長が描かれます。
高校生におすすめのミステリー小説
高校生には、謎解きや推理を楽しめるミステリー小説もおすすめです。
【屍人荘の殺人】今村昌弘
「屍人荘の殺人」は、ミステリーの賞を複数獲得した作品で、神木隆之介主演の映画も公開されました。
大学サークルの合宿中が行われているペンションに、ゾンビの発生によって閉じ込められてしまった学生たち。そんななか、連続殺人事件が起こってしまいます。
特殊なシチュエーションでの推理ドラマを楽しめる作品です。
【古典部シリーズ】米澤穂信
「古典部シリーズ」は米澤穂信によるミステリー小説で、「氷菓」というタイトルでアニメ化もしました。
高校の古典部に所属する主人公を中心に、身の回りで起こる不思議な出来事の謎を解いていきます。ミステリーと同時に高校生らしい恋愛模様も描かれ、青春小説としても楽しめるでしょう。
【かがみの孤城】辻村深月
「かがみの孤城」は、2018年に本屋大賞を受賞したミステリー小説です。
学校に行かず家に引きこもっている中学生が、鏡の世界に引き込まれ、願いを叶える部屋の鍵を探すことになります。
主人公以外にも同じような悩みを抱える子供たちが集められているのですが、なぜ登場人物たちは鏡の世界に引き込まれたのか、彼らを鏡の世界に引き込んだ人物は何者なのかなど、作中には多くの謎が散りばめられており、読み応えのある作品です。
【そして誰もいなくなった】アガサ・クリスティー(イギリス)
「そして誰もいなくなった」は、アガサ・クリスティーによるミステリー小説です。
世界的に有名な作品で、未読だけれどタイトルは知っているという人もいるのではないでしょうか。
孤島に8人の男女が招かれ、島内にある屋敷の召使い2人を含め、10人が島に閉じ込められます。晩餐の席でそれぞれの罪が明かされ、不気味な童謡の内容に合わせて登場人物は命を落としていくのです。登場人物たちを島に招いたのは誰なのか、なぜなのか。
ミステリーの世界を存分に楽しみたいときにおすすめの作品です。
【告白】湊かなえ
「告白」は湊かなえの小説で、松たか子主演の映画版も上映されました。
中学校のプールで、幼い女の子の遺体が見つかります。
女の子の母はその学校で教師をしており、ホームルームで「娘はこのクラスの生徒に殺された」と言い、犯人への狂気的な復讐が始まります。
教師や事件の犯人、犯人の周辺人物がそれぞれ独白をする形で綴られており、異なる視点で語られる事件の全容と、衝撃的なラストが印象に残る作品です。
高校生におすすめの青春・恋愛小説
高校生には、等身大の青春や恋愛を描いた小説も良いでしょう。
【風が強く吹いている】三浦しをん
「風が強く吹いている」は箱根駅伝を題材にした小説で、実写映画化、アニメ化もした作品です。
かつて天才と呼ばれたランナー、ダメな浪人生、礼儀正しい留学生、漫画好きのイケメンなど個性的な面々が箱根駅伝優勝を目指して奮闘する物語で、チーム結成からトレーニング、予選から大会当日まで、それぞれの思いや努力の様子が丁寧に描かれています。
【ノルウェイの森】村上春樹
「ノルウェイの森」は村上春樹による長編小説で、2010年には映画も公開されました。
学生運動が活発な時代を背景に、若者の恋愛を描いています。
主人公は高校生のときに親友を亡くしており、大学生になって、親友の恋人であった女性と付き合い始めます。ですが恋人が大学を休学したタイミングで、主人公はほかの女性にも心惹かれてしまい、思い悩むのです。
若者の繊細な苦悩を描いた作品です。
【短編少年・短編少女】
「短編少年」「短編少女」は、それぞれ1冊のなかに9作品が入った短編集です。
伊坂幸太郎や三浦しおん、あさのあつこ、米澤穂信、辻村深月、島本理生といった人気作家の作品を読むことができます。
少年・少女を題材とした作品を収録しており、懐かしさを感じる作品、共感できる作品に出会えるのではないでしょうか。
【阪急電車】有川浩
「阪急電車」は、阪急宝塚線の駅を舞台にした群像劇です。
恋をする男性、結婚式帰りの女性、夫を亡くした老婦人、ケンカ中のカップル、恋と進路に悩む女子高生など、多くのキャラクターが入れ替わり立ち替わり登場し、それぞれの恋愛模様や人生が描かれます。
阪急電車の車内を中心に繰り広げられる、さまざまなストーリーを楽しめる作品です。
【夜のピクニック】恩田陸
「夜のピクニック」は、2005年に本屋大賞を受容した作品です。
全校生徒が徹夜で80kmを歩く、高校の伝統行事。主人公はその道のりを歩きながら、高校生活の思い出を振り返り、将来の夢を友人と語りながら、誰にも言えなかった秘密を精算します。
高校生活を懐かしく、愛おしく思える青春小説です。
勉強のモチベーションアップにもおすすめ!学びのある高校生向け小説
小説のなかには、物語を通して学びを得られる作品があります。
また勉強のモチベーションをアップさせてくれる作品もあるため、高校生には以下のような作品もおすすめです。
【こころ】夏目漱石
「こころ」は、少年が鎌倉で出会った人物・先生の苦悩を綴った手紙を中心に描かれています。
先生は学生時代の下宿先で、ある女性に恋心を抱きます。ですが、同居人のKも同じ相手に恋をしており、先生はKを裏切る形で女性を手に入れてしまうのです。
罪の意識を抱える先生の人生とその結末とは…。
夏目漱石の代表作の一つとも言われる作品です。
【山月記】中島敦
「山月記」は、唐王朝時代の中国を舞台に、羞恥心を抱え、虎になってしまった青年・李徴の運命が綴られています。
虎になった理由を李徴はどう考えているのか、虎になる前の李徴の人物像など、作品を読み込むことで登場人物の心理を推測することができ、読解教材として教科書に掲載されていることが多い作品です。
【青の数学】王城夕紀
「青の数学」は、数学オリンピックの覇者をはじめ、数学の天才たちがウェブ上での戦いを繰り広げる物語です。
作中には数学の問題が組み込まれ、キャラクターたちによる問題へのさまざまなアプローチ、解を得るまでの過程も描かれます。
彼らはときに挫折しながらも鮮やかに問題を解いていくため、読者の勉強へのモチベーションも刺激してくれるでしょう。
【紫式部日記】紫式部
「紫式部日記」は、紫式部が宮中での生活や日々の出来事を綴っている作品です。
平安時代の様子が生き生きと描かれており、現代語訳で読んでも、当時の言葉遣いや生活様式、考え方などを知るきっかけになるため、読んでみてはいかがでしょうか。
【もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら】岩崎夏海
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」は、「もしドラ」の通称で知られている小説で、漫画やアニメ、実写映画にもなっています。
『マネジメント』とは経営学者のドラッカーの著書で、組織に成果をあげさせるための経営理論が紹介されています。
「もしドラ」では、高校野球部のマネージャーが『マネジメント』を参考にチームを甲子園に導く物語を通して、経営理論の真髄をわかりやすく描いています。
高校生は小説を読んで楽しく教養アップ!
高校生におすすめの小説を、ファンタジーやミステリー、青春、恋愛とジャンルごとに紹介しましたが、いかがでしたか?
また高校生の勉強のためになる本もあり、読みたい小説が見つかったのではないでしょうか。
長編小説なら休みの日にじっくりと、短編小説なら通学中や勉強の合間に、いろいろな小説を読んでみてくださいね!